どうしよう・・・。
確かに今のオレには帰る宿すらない。
現実を見つめ、今後について迷っていると吹雪さんが更に質問してきた。

「アイツの事が・・・気になるの?」

気にならないと言えば嘘になる。
ヨハンが狂気に走った動機。
そして本当に催眠術なんかを操れたのだろうか・・・。
狂気の舞台は幕を閉じても謎は解明出来ていない。

「ヨハンは・・・どうなるのかな」

自然とオレの口から本音が漏れた。
吹雪さんは微笑みながら答えてくれた。

「さあね・・・。催眠術だの超能力だの、そういうのって実証出来るモンじゃないし・・・。あの殺人鬼の事が心配なのかな、十代くん?」



心配だ
もう忘れようと思う